2015-10-25

Georgie Fame / The Whole World's Shaking: Complete Recordings 1963-1966


ジョージィ・フェイムがコロンビア在籍時代に残した音源のコンプリート・ボックスです。
四枚のオリジナル・アルバムにそれぞれボーナス・トラックが付き、さらに未発表のものを多く含むレアトラック集が一枚の5CDで、全106曲入りになります。
パッケージもしっかりしたつくりであって。ハードカバーのブックレットには珍しそうな写真に力のこもったライナーノーツ。ミックジャガーと談笑しているポスターや大判のカードなんかも付いていて。いかにも華を感じさせるたたずまいでありますね。


この時代におけるジョージィ・フェイムはむしろ日本でのリイシューが先行していて、欧米ではアルバムのフォーマットを残した再発は今までなかったのではないかな。そういうわけで、今回のオリジナル・マスターからのリイシューはまさに待望のもの。
の筈だったのだが。

ディスク1、デビュー作であるライヴ盤「Rhythm And Blues At The Flamingo」の音質がびっくりするくらいしょぼいです。以前から出ている日本盤CDのほうが(不自然なところはあるけれど)ずっといい。テープ・リサーチは時間をかけて徹底的にやったそうなので、他のアルバムはいい音なんですよね。けれど、コロンビア時代で一枚といえば、このライヴ・アルバムだと思っているのですよ、僕は。
勿論、スタジオ録音作もスマートで格好良いんだけれど、このフラミンゴ・クラブでのライヴではジャズやR&Bだけでない、有色人種娯楽音楽の闇鍋、といった雰囲気が横溢しているのです。ユーモラスなパーソナリティも伝わってくるようで、とにかく楽しいのだな。
だから、この音質はやっぱり残念。ボーナス・トラックにこのライヴ・レコーディングの未発表インストが入っていて、それはまともな音をしているんだけどなあ。


まあ、ちょっとケチをつけちゃいましたが、内容としては文句が無いのです。
若き日のフェイム、その伊達男っぷりを堪能できそうなボックスではあることよね、うん。

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