2015-10-08

The Pete Jolly Trio / Little Bird


西海岸ジャズ、といっても実は余りくわしくはないのだが。ピート・ジョリーはセッション・ミュージシャンとしても活躍したピアニスト。そのプレイは凄く精確で、ゆえにタッチもとても軽やか。1963年にリリースされたこのアルバムも、全体によく歌うけれど、しつこいところのない洒脱な演奏が楽しめます。3曲で参加しているギターのハワード・ロバーツも出しゃばらず、ほんと役目をわきまえたサポートという感じ。

収録曲のうちでは2曲ある自作のものが良くて、特にタイトルになっている "Little Bird" が格好良くも陰影豊かなジャズボッサであり、中間部で低音を効かせる展開などは、ちょっとフランソワ・ド・ルーベを思わせるスリリングさ。
また、有名曲では "My Favorite Things" なんて取り上げていますが、独特の解釈ながらノヴェルティにとどまらないセンスを感じさせてくれる仕上がりです。

ところで、このアルバムの三曲目ではミュージカルの "Never Never Land" なんかも演っていて、この曲はトッド・ラングレンの「A Wizard, a True Star」(1973年)で知ったんだよなあ、なんて思っていると。アルバム後半に入っている "Toot Toot Tootsie (Goodbye)" という曲のメロディもなんだか覚えがある。これもトッドの「A Wizard, a True Star」なんだが、"Just Another Onionhead" という曲に組み合わさっていた "Da da Dali" がそっくり。調べてみたところ、この "Toot Toot Tootsie" も古いミュージカル曲でありました。トッドの "Da da Dali" はその替え歌、ということか。いや、思わぬ発見でした。

まあ、それを置いても、抜群の技巧とちょっとポップなテイストの加減が良いアルバムですね。

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