2016-03-26
Les Baxter / Confetti
1950年からキャピトル・レコードでオーケストラを率いていたレス・バクスター。我が国では所謂エキゾチカ、というジャンルの創始者として認知の方が大きいようですね。
バクスター自身は、後年にエキゾチカと呼ばれるようになるようなレコードを制作する際、南米の音楽を調べたりは全くしなかったそうであります。つまり純粋に想像上の産物だと。
バクスターはアフリカやブラジルといった異郷、はたまた宇宙をテーマにしたアルバムをも制作していますが、この「Confetti」(1958年リリース)には "a potpouri of European instrumentals" という副題がついています。まあ、実際の音のほうはヨーロッパというか、フランスですね。イタリアの曲も取り上げていますけれど、そんなのもひっくるめておフランスな仕上がりです。ハリウッド流にディフォルメ&ソフィスティケートされた、現実にはないフランスのイメージ。品が良く、全ての音がきらめいていて、軽やか。ヨーロッパをフランスだけで代表させてしまう大らかさ(といっていいのか)が実に、らしい。
とにかく流麗なオケが気持ち良くって、さすがは大キャピトルという感じなのだけれど、複数の楽器と口笛やスキャットで同じフレーズを重ねたりしていて、その新鮮な響きにはっとさせられます。
アルバム最後に置かれた曲は "The Poor People Of Paris"。元々はエディット・ピアフの歌うシャンソンであったが、バクスターのヴァージョンは1956年にビルボードのチャート・トッパーになった。ポップソングとイージーリスニングの境界がなかった時代なのね。で、その次のナンバー・ワンが、あの "Heartbreak Hotel" であった、という。いや、凄い昔話のようだわ。
この「Confetti」に収録されているものは再演だと思いますが、さらに優美な手触りのものになっています。
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