2017-10-07

Todd Rundgren / Hermit Of Mink Hollow


トッド・ラングレンが1978年にリリースした、ソロとしては8枚目にあたるアルバム。
全ての楽器をひとりで演奏、いわゆるワンマンレコーディングで制作されています。「Something/Anything?」(1972年)の4分の3もワンマンであったけれど、この「Hermit~」はミンク・ホロウという土地にある自宅スタジオにて、卓とブースの間を行ったり来たりしながら録音されたらしく、そのせいか、より密室性を強く感じさせるものになっています。

実はこのアルバムに関してはずっと、あまりピンと来ていなかったのだな。キラキラしたサウンドやシンセが、ユートピアならいいけどソロだと合ってないような気がして。また、音の分離が余り良くなく、ごちゃごちゃしている印象もありました。それが、最近になってなぜか無性に聴きたくなってきたのですが、いやあ、曲はいいのが多いのですね。
シングルとしてスマッシュヒットしたのが "Can We Still Be Friends"、これがやっぱり飛びぬけて良いすね。メロディの麗しさもさることながら、間奏部分のコーラスアレンジが浮遊感を湛えたサウンドとマッチしていて素晴らしい。それだけに深いエコー処理がなあ、もっと素で聴かせてくれよ、と思ってしまう。

このアルバム、アナログA面が「The Easy Side」、B面が「The Difficult Side」となっていますが、これはトッド本人ではなくレコード会社が決定した曲順だそう。
「The Easy Side」では先に触れた "Can We Still Be Friends" の他だと、スロウの "Hurting For You" が好みです。トッドのソウル路線、その典型ではありますが。
それから、"Too Far Gone" と "Onomatopoeia" はそれぞれボサノヴァとミュージックホール調のスタイルをトッドならではのアレンジで仕上げていて、独特の音楽になっていますな。
あと、"Determination" のベースラインがとてもビートルズ的で楽しい。この曲なんかを聴くと、ワンマンレコーディングでもしっかりとしたグルーヴは生み出せる、ということがわかります。
アルバム後半、「The Difficult Side」はやや地味な印象ですが、"Out Of Control" などのハードポップな要素はこの後のユートピアにおける方向につながっていくような感じも受けます。

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