2023-03-21

The Land Of Sensations & Delights: The Psych Pop Sounds Of White Whale Records 1965-1970


2020年に米Craft Recordingsより出たホワイト・ホエールもの。Craft RecordingsというのはConcord傘下のリイシュー・レーベルで、現在はVarèse Sarabandeの親レーベルでもあるよう。
編纂に当たったのはアンドルー・サンドヴァルで、マスタリング担当はダン・ハーシュ。1人(1グループ)1曲という縛りを設けているようなのが、以前取り上げた同種のコンピレイションと違うところ。全26曲中、Varèse Sarabandeの「Happy Together」とは2曲が重複、Rev-Olaの「In The Garden」とは7曲、「Out Of Nowhere」とは5曲の重複があります。トータルだと半数以上になるか。しかし、それ以外の曲にはこの盤しか再発がないものも多いです。

副題に「サイケ・ポップ・サウンズ」と付けられているように、選曲からは(タートルズのものを除外した上で)生きのいいローカルなガレージ・ロックから手の込んだサイケ・ポップまで広く採られている一方、落ち着いたテイストのミドル・オブ・ザ・ロード的なポップスは外されています。
その中で、ちょっと毛色の違うのがクリス・ジェンセンによるホリーズのカバー “I Can’t Get Nowhere With You”。制作はスナッフ・ギャレットとリオン・ラッセルのチームで、ゲイリー・ルイス&プレイボーイズと共通するようなキャッチーなティーンエイジ・ポップに仕上がっていて、これはこれで悪くない。

1960年代後半におけるLAポップの流行をオブスキュアなシングル盤で表現しながら、一枚全体の流れが弛みなく構成されているのが美点であって、このあたりがアンドルー・サンドヴァルのセンスですね。一見さんはタートルズも入った「Happy Together」、ポップス寄りの好みなら「In The Garden」の方がいいかもしれませんが、両者とも既に入手が容易ではなくなりつつあるのが困ったところ。

ところで、この盤にはひとつミスがあって。24曲目にはバスター・ブラウンというグループの “The Proud One” が収録されているはずが、ジョニー・シンバルの書いた “Sell Your Soul” が入っているのですね。とてもいい出来なのだけれど、いったいこの “Sell Your Soul” が誰のヴァージョンで、どこから紛れ込んだのかがわからない。

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