2023-03-07

Happy Together: The Very Best Of White Whale Records


わたしの所有するホワイト・ホエールのコンピレイションのうち、一番古いものがこれで、米Varèse Sarabandeより1999年に出されたもの。
マスタリングはダン・ハーシュ、ビル・イングロットらが担当。収録された全21曲中、20曲がモノラルというのもいいですな。シングル曲を中心に編纂されたというか、そもそもシングル・レコードしか出していないひとも多いようだ。

ホワイト・ホエールというのはタートルズを売り出すために作られた会社で、他にヒット・レコードをコンスタントに出せるタレントを確保できなかったため、タートルズのキャリアとともに閉められた、と考えていいでしょう。その活動期間は1965~71年となります。
この盤でもタートルズは “It Ain't Me Babe”、”Happy Together”、“Elenore” が入っていて、まあ手堅い選曲ですな。

タートルズ以外の曲はフォーク・ロックを軸にしつつ、ソフトサウンディングなものからガレージィなロックンロールまで満遍なく、という感じ。知られたところではニノ&エイプリル、リズ・ダモンズ・オリエント・エクスプレス、ゲイリー・ゼクリーのブレインチャイルドであるクリークなんかがあって、このあたりはやはり聴いていて楽しいですが、おや、トリステ・ジャネロが入ってないのね。

ホワイト・ホエールは活動期間の後半になると、外部のプロダクションによる制作物を買い上げてリリースというものが多くなっていったようです。その辺りになるとサウンドの傾向がばらばらで、特有のセンス、カラーといったものが感じ取れないですね。このコンピレイションはレーベルの活動を一望できるようにちゃんと編集したせいで、かえって面白みが損なわれてしまっているのかもしれません。現在ではホワイト・ホエールの編集盤は他にも出されているので、これを無理して手に入れることはない、そう言いたいところだが。
オブスキュアなものでおそらく未だに他ではリイシューされていない曲が結構、含まれているのですよ。中でもコミッティという名のアル・キャプスらによるスタジオ・プロダクト、それによるフィフス・ディメンションのカバー “California My Way” が、ハーモニーが強調されたつくりで爽やか、なかなかいいです。

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