2011-01-11

The Turtles / Happy Together


タートルズ、1967年リリースのサード・アルバム。
タイトル曲の大ヒットはこのグループの音楽性を、それまで元気のいいロックンロールからソフトサウンディングなものへと一気にシフトさせるきっかけとなった。いま、改めて聴くと "Happy Together" は良い曲なんだけど、ロックンロールコンボにとってはジョーク寸前なくらい、おセンチで大げさなものであるね。特にボーカルの二人の、後のフロー&エディーとしての活動を考えると。

全体に、フォークロックと出番をわきまえたオーケストレーションの組み合わせが絶妙で、温かみがあり丁寧に作られたポップアルバムであります。

タートルズというバンドは、メンバーのオリジナル曲はややキャッチーさに欠けるのだが、外部ライターからの選曲が優れている。
冒頭の "Makin' My Mind Up" はスパイラル・ステアケースの優れたバージョンがありますが、タートルズはハンドクラッピングを交えつつ、変化に富んだコーラスなどで更にメリハリをつけていて、こちらも良い出来。
また、タイトル曲を書いたゲイリー・ボナー&アラン・ゴードンは他にも二曲提供していて、中では "Me About You" がいい。この曲はラヴィン・スプーンフルやモージョー・メンも取り上げていますが、タートルズのものが一番良いと思う。

このアルバムで僕が一番好きなのは "Too Young To Be One" という曲。グリニッジ・ヴィレッジ界隈で活動していたらしいエリック・アイズナーというひとが書いた曲で、ジェントルなボーカルに穏やかな管弦が素晴らしい、青く美しいフォークロック。間奏でテンポダウンするところなど凄くお洒落。

演奏はスタジオ・ミュージシャンによるものだろうけれど、優しさと激しさを併せ持つボーカルが(少し意外なほど)表情豊か。あと、コーラスもそのアレンジの多彩さも含めて非常にうまいですね。

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