2012-11-24
Daughters of Albion / Daughters of Albion (eponymous title)
リオン・ラッセルがプロデュースを手がけた、西海岸の男女デュオによる唯一のアルバムで、リリースは1968年。英Now Soundsからのリイシューなんだけれど、正規のCD化としては初、と書かれていまして。以前、Falloutというところからも出ていましたが、そちらはブートということなんでしょうか。
ウィリアム・ブレイクの作品から取ったというグループ名やアングラ臭漂うジャケットに反して、内容はサイケデリックな味付けも華やかな、しっかりしたプロダクションのポップスです。
デュオのうち、女性ボーカルのキャシー・イエッセは癖がなくて伸びやかな美声で、ジェントル・ソウル期のパメラ・ポランドを思わせるところがあります。
一方で作曲をしている男性、グレッグ・デンプシーの方は唄はそんなに良くないのだけど、そもそもはスクリーン・ジェムズの契約ソングライターであったそうで、書く曲ははっきりしたメロディを持つものばかり。
演奏にはリオン・ラッセルの他、カール・レイドルやジェシ・エド・デイヴィスらが参加。アーシーなリズムセクションの上に美麗な管弦が絡む、ちょっと不思議な手触りのサウンドになっていて、リオン・ラッセルがハリウッドの腕利きセッションマン/アレンジャーとしての立場から、独立したアーティストへと踏み出そうとしていた微妙な時期であったことを反映しているよう。
アレンジにおいてはサージェントペパーに影響を受けたような凝りまくった展開が楽しいと言えばそうなのだけれど、やり過ぎて一聴しただけでは全体像が掴めない曲もあり。むしろ野心控えめの、比較的ストレートな曲調のものの方が良く出来たサンシャインポップとして聴けて好みですね。中でも "Good To Have You" という曲が抜群の出来で、ブライアン・ウィルソンが手がけたスプリングを思わせますよ。
なお、Now Soundsでは、これの前身グループであるガス・カンパニーの音源をまとめたものをリリースする予定もあるそうです。
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