2012-11-10

The Who / Live At Hull 1970


二年前に出された「Live At Leeds」の40周年盤、そこに含まれていたハル・シティ・ホールでのライヴが単体でリリースされましたよ、と。

簡単におさらいすると元々は1970年に、ザ・フーはライヴ盤を制作しようという意図のもとリーズ大学とハルでライヴを行なったのだけど、ピート・タウンゼントがその録音テープを聴いて、ハルの方はレコードには出来ないな、と判断してお蔵入りにしていたそうな。

このハルでのライヴ、最初の5曲はベースが全く録れていなかったため、その部分はリーズのライヴから引っこ抜いてペーストしたらしい。そう聞かされても違和感がなくて。はっきりと気付くのは "Young Man Blues" においてリーズでのボーカルがうっすらリークしていることくらい。あと、もしかしたら該当曲でのギターの音がわずかに細くなっているかもしれない。
また、Disc 2の "Tommy" のパートではまるまる20秒の欠落があって、そちらもリーズから補填されたらしいのだが、いやはや、恐ろしいものだ。自分が聴いているものがどれくらい弄られたものなのかがさっぱり判らないぞ。


肝心の演奏自体は、前日に行なわれたリーズでのものと比べても結構ラフでミスもありますな。けれど「Live At Leeds」はデラックスエディション化された際、ノイズリダクションやイコライジングの影響でなんだか綺麗になりすぎてしまった、という気がするのだな。その点、このハルでのライヴはより生々しい感触に仕上げられていて、現代的に優れた音と言えるかも。特にドラムに凄く迫力があって、個人的にはそれだけでもこちらに軍配を上げたい。

しかし、フーのライヴというのは独特ですな。これだけラウドで荒々しいにも拘わらず、ポップソングとしての骨格は断固として堅持されているというのは、他のバンドにはちょっと無いのことなのでは。

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