2013-05-12

The Robert Tennison Troupe / Don't Forget You Cared


1974年のカナダ産サンシャインポップ、韓国Big Pinkによるリイシュー。さっぱり情報がないロバート・テニスンというひとの、おそらく唯一のアルバムです。もともとはカナダのマイナーレーベルから「Two Words, Three Words」として出たものを、大手のユナイテッド・アーティスツがタイトルとジャケットを変えて出し直したのだそう。
プロデュースと全ての作曲をテニスン自身が手がけていますが、ボーカルは女声がメインになっています。

演奏は少し跳ね気味のリズムの上でピアノの響きを生かした、この時代のシンガーソングライター的なものといえましょうか。爽やかで抜けがいいサウンドです。
一方、楽曲は'60年代後半のようなテイストを強く感じさせる粒揃いなもの。曲の長さも殆どが2分台という短さであります。女性ボーカルのダブルトラック処理がなんだかラフで、これも'60年代っぽい。
あえて例えると、親しみやすくなったインナー・ダイアローグ、といった感じでしょうか。

アルバム通して聴くとやや一本調子な印象も受けますが、メロディの良さを武器にして、正攻法のポップスで全編押し切ったところが嬉しい一枚です。ソフトサウンディングなものが好きなひとなら、アングラっぽいジャケットに恐れをなさずに試してみては。

個人的に一番気に入ったのは、ボサノヴァ風の "Don't Be Afraid" かな。リズムアレンジがぴたりと嵌り、フルートも瀟洒に決まった。

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