2013-08-04

The Chi-Lites / I Like Your Lovin' (Do You Like Mine)


シャイ・ライツが1970年、ブランズウィック・レコードから出したセカンドアルバム。
ジャケットのセンスはちょっと田舎臭いですが、中身は若々しい勢いと軽快さが心地いい都会のソウルです。全10曲のうち6曲が前年に出されたファーストアルバムからの使い廻しになっているのはシングル曲のヒットを受けて急ぎで制作されたからでしょうか。このジャケットに使われているメンバー写真は、ファーストアルバムのバックカバーにあるのと同じのを裏焼きしたもののようであります。

で、そのヒットした2曲がいずれも生きのいいファンクで、特に冒頭の "Are You My Woman? (Tell Me So)" が強力。ノーマン・ウィットフィールドが手がけたテンプテーションズの影響が非常に強く感じられますが、モータウン製に比べてこちらはしつこくなくて、ずっとすっきりとした仕上がりになっています。演奏時間もコンパクトにまとまっているし、何より主役はシンガーたちなのだな。

他の曲にはスロウもあるのですが、この時期ではまだ余り目立つほどの出来では無いか。そうなると、ここではいかにもシカゴらしい軽やかなミディアムが聴き物ということになります。中では、穏やかながら華のある "24 Hours Of Sadness" や "Give It Away" が気に入りました。
また、カバー曲がテンプス&スプリームスがヒットさせた "I'm Gonna Make You Love Me" やデヴィッド・ラフィンの "My Whole World Ended" 、スタンダード曲の "The Twelfth Of Never" とあるのですが、どれも少しテンポを上げてさらっと粋に仕上げています。

言って見ればデビュー盤のつくり直しみたいなアルバムですが、既にカバー以外はすべてユージン・レコードの手によるものであって、いや、良い曲が書けるというのは強いな。

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