2009-06-26

Soul Toronados / The Complete Recordings


ちょっと前にも似たような名前のグループについて書いたけれど、こちらのトルネードズは10代の少年4人組のファンクバンド。
CDのタイトルにはコンプリートと銘打たれていますが、1970年にリリースされたシングル3枚分に未発表ライブが一曲収録されているのが全てで、25分くらい。 

メンバーが皆若いにしては演奏が凄く達者で、勿論粗削りなところもあるのだが、バンド一体となってのグルーヴがきまっています。気持ちよく弾むリズムにブイブイ飛ばすハモンドオルガンが素晴らしい。インスト曲ばかりだけどジャズファンクというわけではなく、ジェイムズ・ブラウンのある部分を抽出・純化したような印象で、テンション高いね。
楽曲自体にはミーターズっぽいものも。さすがにあれほど複雑なニュアンスや懐の深さはなく、代わりにあるのは性急さであり、ループ感も強い。リズムは前ノリであってエッジの立った攻撃的な仕上がり。 
また、"Boot's Groove" という曲ではスライドギターが延々ソロをとっているのですが、そんなものでもちゃんと格好いいファンクになっており、センスいいなあ、と感心。
欠点をいうと、曲がシングルからとったもののせいか、どれも時間が短いのね。2、3分で終わっちゃう。ひたすらと続くリフの反復こそがJB的ファンクの肝、としたい向きには物足りないかなあ。

未発表ライブ曲はJBの "Superbad"、ボーカル入りでやってまして、この曲だけ7分以上あるんだけれど、原曲まんまのアレンジながらカルテット編成でもってオリジナルに迫るものになっていて、考えてみればこれも凄い。
ただし音はかなり悪いね、このライブ。繰り返し聴くのはつらいか。

若さと才気に任せたような勢いに満ちたファンクで、JBの「Love Power Peace」なんかが好きなら気に入るんじゃないかな。若き日のブーツィー・コリンズのいたペースメイカーズなんかもこんなだったかもしれないなあ、とかね。

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