2011-08-13

Susan Maughan / Hey Look Me Over


1967年リリース、おそらくは英国のヒップな若者向けにデザインされたジャズ。
編成はピアノ、ウッドベース、ドラム、ギターのカルテット。グルーヴが第一に優先されていて、殆どの曲がミディアム~アップテンポであります。
主役であるスーザン・モーンさん(モーガン、と読みたくなるがモーンでいいようだ)の歌はいなせ、という言い方がぴったりの元気がいいもの。緩急はわきまえているし、スキャットも無難にこなしているのだけれど、しっとりとした表現とかは少な目です。そういうものを聴かせるアルバムではない、ということだな。

多くを占めているのはミュージカルの曲やスタンダードなのですが、それらに混じって取り上げられている "I'm A Believer" "Call Me" "Kind Of Hush" などのヒットソングがいいフックになっています。完全に消化されていて、まるで違和感無く収まっていますね。
特に良いのは元は映画の主題歌であった "More"。高速4ビートのドライヴ感が実に格好いい仕上がり。

演奏では軽やかな鍵盤が耳を引きますが、ちょっと目立たないところではギターのコードの鳴らし方が丁寧で、これが気持ちが良い。
なお、楽器の数が少ないせいか分離のはっきりしたミックスがされていて、ドラムが右寄りに定位しているのだが、ベースがしっかり鳴っているせいか、さほど気にならないです。ロックやポップスではこういうミックスをすると頼りないのだけれど。

スウィングしなけりゃどうしようもないぜ、という体でありながら品性も感じられ、これもレイト・シクスティーズのロンドンならではの音楽、ではないか。ペドラーズあたりが好きな方にはお勧めしたいな、と。

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