2011-08-24
Bradford / Shouting Quietly
英国のインディーギターバンド、ブラッドフォードが実質的に唯一残したアルバム。1990年リリース。
ザ・スミスも手がけていたスティーヴン・ストリートがプロデュースを担当していて、サウンドは非常に端整なネオアコといえましょうか。ただ、あまり特徴がないのも事実で、ちょっと型にはまりすぎた感。オカズを殆ど入れないドラムを聴いていると、ドンカマに合わせてリズムキープに専念させられているような画が浮かんでしまうな。効果的に入れられているキーボードからは、もしかしたらこのバンドの良さはネオアコ的なものとは別なところにあったのかも、ということも考えられます。
ある海外のフォーラムでは彼らを評して「nothing bad, nothing special」と書かれていて。まあ、確かにそうなんだよね。だからアルバム一枚で消えちゃったわけだし。
けれど、しみじみ良いメロディが多いんだな。ちょっと泣きが入っていて。'90年前後の新人のアルバムでこれだけ曲の粒の揃ったものはそう無かったのでは、とは思う。
ボーカルはエルヴィス・コステロ系というか、スミザリーンズのパット・ディニジオなんかとも共通するような節回しなんだけれど、それほど思い入れはしつこくなくて。軽快なバックに対して、ちょうどいいさじ加減、という気はします。
歴史に名を残す、そんな大層なものではないですが。逆にそれほど大上段に構えていない親しみやすさが美点で、とてもまっすぐなギターポップ。
全編にうたごごろが響く、個人的に忘れがたい一枚であります。
「To have and hurt you, the mood is black, my mind is blue」とか、なんてことはないフレーズがいいな。
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