2012-03-04

Phil Everly / Star Spangled Springer


エヴァリー・ブラザーズの弟の方である、フィル・エヴァリーのソロ・デビュー盤。1973年リリース。
プロデュースはギタリストのデュエイン・エディ、アレンジはエヴァリーズのバックバンドにいたウォーレン・ジヴォンが務めていて、気心の知れたスタッフで固めたということになるのかな。
収録曲は一曲のカバーを除いた全てがフィル・エヴァリーの自作でありまして、これがなかなかの佳曲揃い。メロディには'60年代的なものが多いですね。ドリーミー、という形容が相応しいような。

音の方はカントリー的な甘さを滲ませたSSW風味のポップスで、落ち着いたスロウとミディアムを交互に並べた構成になっていますが、尖がったところなどどこにもない、まろやかな仕上がり。若い人が聴いてもあまり面白くはないでしょうね。
中にはもろオールディーズ的な趣向の曲もあって、流石にこれはお手のものという感じ。

優しさ全開のボーカルは正直、ソロシンガーとしては線が細いかなと思う瞬間もあるのですが、ちょっとしたハーモニーが付くと(彼の奥さんが歌っているそうです)ぐっと華を感じるものになっています。また、ひとりエヴァリーズをやっているような曲もあって、これには思わずにやり。

取り立ててどうこういうアルバムでは無いかもしれないけれど、寒い季節にはじんわりと染みてくる一杯のココアのようであるよ。
リズムを強調したフォークロック "Poisonberry Pie" が格好良いな。デュエイン・エディのトワンギー・ギターもびしっ、と決まった。

0 件のコメント:

コメントを投稿