2016-01-21

The Four Freshmen / Four Freshmen and 5 Trombones


ポップス・ファンにとってのフォー・フレッシュメンとの接点というと、そのハーモニーからブライアン・ウィルソンが大層に影響を受けた、というところで。僕もその流れで興味を持ったわけですが、若い時にはそんなにいいと思わなかったのですよ。落ち着いた、いかにも大人な音楽という感じで。
それが、このところはこればっかり聴いていたわけで。つまりはおっさんになった、ってえことだな。

「Four Freshmen and 5 Trombones」は1955年、キャピトルからのリリース。フォー・フレッシュメンのアルバムとしてはこれ以前にも一枚ありますが、それまでの録音を寄せ集めたような内容であって、アルバム単位として制作されたのは、この「~5 Trombones」が初めてだったそうであります。
編成は4リズムに、5本のトロンボーン。ギターにはバーニー・ケッセルがクレジットされていまして、実際に滑らかなソロを披露する場面もありますが、これはあくまでアンサンブルで聴かせるアルバムですね。

主役であるフォー・フレッシュメンのコーラスについてはもう今更、言うことはないですな。アルバムのオープナー、ドラムレスの演奏に乗せて歌い出される "Angel Eyes"、このいきなりのハモリが見事で、ため息が出そうなもの。あとは、ただただ聞き惚れる、という感じ。

収録曲のうちではクルト・ワイルの "Speak Low" が目を引くかな。クルト・ワイルというとドアーズが演っていた "Alabama Song" もそうだったか。それはともかく、僕がこの "Speak Low" という曲を知ったのはハーパーズ・ビザールが再結成アルバム「As Time Goes By」で取り上げていたからで、そちらは非常に瀟洒な仕上がりのものでした。
フォー・フレッシュメンのヴァージョンはラテン風味の味付けが楽しく、リズムの変化も盛り込まれたアレンジが印象的でありますね。

全編にウェスト・コーストらしい明るさが感じられ、軽快にスイングするアルバムであって、ストレスなく聴けます。
しかし、こういう音楽を欲するというのは、やはり疲れているということだろうか。

0 件のコメント:

コメントを投稿