2016-01-02

Gals & Pals / Sing Somethin' For Everyone


昨年末からずっと聴いていたのがこれです。
スウェーデンの男女混声グループが1966年に出したバート・バカラック集で、英語詩で歌っています。我が国のワーナーから独自のCD化ですが、音質はそれほど良くないですね。レンジが狭い感じ。

同趣向のアルバムは世の中にいくつもありますが、アルバム一枚すべてバカラックの曲というのはこの作品が初だったらしい。カバー裏面のスリーヴノートもバカラック本人によるものです。
ボーカル・グループものとしてはアニタ・カー・シンガーズにもバカラック&デヴィッドの曲を集めたアルバムがあるけれど、あんなに洗練されたものではないですね。もっと元気がいいし、ブラスが入った演奏もダイナミック。それが却ってイージ・リスニングに終わらない、ポップスとしてのフックになっているとは思います。

収録曲のうち "Cross Town Bus" がそれまで誰にもレコーディングされずにいたらしい。これと "Close" というのがあまり知られていない曲かな。特に前者はなかなか良い仕上がりです。
残りの有名曲でも、ジャズ的な和声やスキャットが新鮮なテイストを付け加えています。ただ、落ち着いた曲調でのアレンジはちょっと古びて感じられるか。ミディアムの曲のほうが良いですね。

いわゆるソフトロックのファン向けでは無いとは思いますが、個性を出しすぎず抑えすぎずの加減もうまくいって、バカラック集としては良い出来じゃないすかね。



なお、今回のリイシューのライナーノーツにはちょっと誇張表現があるので、買ったひとは鵜呑みにはしないでね。実際は、バカラック研究本「Song By Song」にはこのアルバムがバカラック自身から出た企画だとは書かれていません。もっと言うと、「Song By Song」の著者によるこのアルバムの評価はあまりかんばしいものではないようです。

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