2011-07-01
The Left Banke / Walk Away Renee/Pretty Ballerina
米Sundazedからレフト・バンクの残した二枚のアルバムが再発。パッケージはデジパックというか、紙ケースですかね。
今回は所謂ストレート・リイシューというやつで、ボーナストラックは無し。レフト・バンクについては昔、「There's Gonna Be A Storm」というタイトルのCDが出ていて、そこには二枚のアルバム収録曲全てとシングル・オンリーだった曲、更には未発表であったものまで含まれていました。コンプリート集ですね、しかも一枚もので。それに比べるとこのSundazedからのものは量的にはちょっと不満であるか。
ただ、今回のリイシューは「Sourced from the first-generation Smash stereo masters」ということでありまして。「There's Gonna Be~」に含まれていたファーストアルバムの曲はリミックスが施されていたので、元々のミックスで聴けるという点が大きいです。また、アートワークや曲順など、オリジナルに準じた形で楽しめる、というのも意味があるかな。
そのファースト、「Walk Away Renee/Pretty Ballerina」は1967年リリースで、まさしくバロックポップと言えばこれ、というアルバム(他にどんなものがあるのかと訊かれると困りますが)。個人的にも大好きで。
美麗なメロディ、サウンドが良いのですが、特に "Pretty Ballerina" は狙って書けるようなもんじゃない、という気がします。単にポップなだけではない、独特の雰囲気があって。これ以上いじりようがないという感じ。
オリジナルミックスはボーカルがセンターに位置していないものが多く、まあ'60年代的といえばそうであるかな。「There's Gonna Be~」にくらべると、音が力強いというい印象を受けました。
ブックレットには録音データも記されており、それによれば多くの曲で実際に演奏していたのは鍵盤にマイケル・ブラウン、あとはニューヨークのセッションマンという編成であったようです("Pretty Ballerina" のドラムはバディ・サルツマンとのこと)。
翌年のセカンド、「The Left Banke Too」はリーダーであったマイケル・ブラウンが抜けてからのもので、タイトルが「Two」ではなく「Too」なのがミソですな。
印象的なハープシコードを聴かせていたブラウンがいなくなったせいか室内楽的な感触は無くなり、抜けのいいポップスになっています。全体に個性が薄くなった感は否めないですが。6曲でプロデュースを手がけているのはポール・レカ。このひとにはあまりいい印象はないのだけれど、ここでの仕事はそう悪くないか。
また、楽曲としてはそこそこのレベルのものが揃っていますが、キャッチーさには欠けるかも。ブラウン在籍時に制作された "Desiree" が一番いいな、やっぱり。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿