2015-07-11

Ronny And The Daytonas / The Complete Recordings


ロニー&ザ・デイトナズの2CDコンプリート盤、米Real Gone Musicからのリイシューです。別名義でのものや未発表4曲を含めて48曲、全てがモノラル・ミックスで収録されております。ヴィク・アネシーニが手掛けたマスタリングのほうは音圧控えめで、自然な鳴りを意識したもののよう。

しかし、初期のホッドロッド曲はつまらないですな。デビュー・ヒットの "G.T.O." ではリーダーの(というか実質ソロ・プロジェクトですが)バック・ウィルキンがまだ高校生だったのだけど、今聞くとそんなに面白くない、勢いに欠けるロックンロールといった印象。アコースティック・ギターがリードを取るのが個性といえばそうですけれど。また、この "G.T.O." のヒットを受けて制作されたアルバムの曲も、サウンドこそ迫力のあるものに改善されていますが、基本的にはジャン&ディーンのフォロワーといったつくりで特長があまり感じられない。
やはり、ぐっと良くなるのが "Sandy" からです。この曲はウィルキンが2トラックのレコーダーを使って一人で録音したものを元に、スタジオで後から音をかぶせて制作されたものだそうで、ひときわ内省的なサウンドはそのせいでしょうか。また、この曲のシングルB面がインスト・ヴァージョンですが、別アレンジながらスロウのサーフ・インストとして中々の出来。ただ、残念ながらマスターテープが無いようで、これは盤起こしの収録です。

ところで、バック・ウィルキン自身によるライナーノーツを読むと、アルバム「Sandy」までプロデューサーを務めていたビル・ジャスティスという人物、彼はウィルキンの母親のビジネス・パートナーでもあったそうなのですが、そのジャスティスが横領をしていたことが発覚した、と。それで縁を切らざるを得なくなったわけだが、ジャスティスはマネージャーでもあったため、ウィルキンは自分ひとりで仕事を切り回していかなければならなくなった、とのことです。結局、以後は大したヒット・レコードは出せなかったのだが。

まあそれはともかく。彼らは1966年よりレコード会社をそれまでのMalaから大手のRCAに移し、そこで5枚のシングルをリリースしています。時代を反映したように洗練されすっきりとしたサウンドになっていますが、丁寧に作られ、ポップでどれもそこそこはいい曲でありますね。

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