長考および逡巡のあげく入手したスーパーデラックス版、ようやく開封。
本体は120ページほどあるハードカバー本。写真は勿論、アルバム制作過程を追った文章は読み応え十分。イアン・スチュワートが "Wild Horses" でプレイすることを拒否した下りなど、なんやそれ、と思いました。
奮発してスーパーでデラックスなやつを買ったのは当然、リーズ大学でのライヴ「Get Yer Leeds Lungs Out」がこれにしか入っていないからで。'71年3月13日に行われたこのライヴはBBCで放送され、それを元にしたブートレグもありましたが、モノラルでしかも頭2曲が欠けていました。今回は全曲をステレオミックスで聴くことが出来る、というわけであります。
ミックテイラーがいいですね。アタックはないのに太い音。この時期はまだ "Jumping Jack Flash" のアレンジを崩さずに演っているのも嬉しい。逆に "Satisfaction" はファンキーな演奏になっていて、これは格好いいな。
順序は逆になりますが。CD2であるボーナス・ディスク、5曲ある別テイクはもちろん正規ヴァージョンよりはラフなんだけど、エッジの効いた音の感触はむしろこちらのほうが好みであります。クラプトン入り "Brown Sugar" は猥雑なエネルギーに満ちた演奏であって格好いい。"Wild Horses" も感傷的な甘さが控えめな感じがして良いです。また、"Bitch" はエクステンディッド・ヴァージョンとあるけれど、これも別テイクですね。曲後半、どこへ向かうかわからない展開がスリリング。
ディスク後半には、リーズの次の日にロンドンはラウンドハウスで行われた昼夜2回のショウから5曲が収録されています。これもいいんですよ。すごく気合が入っていて、流しているような部分がないタイトな出来。なんとかフルセットで出してもらいたいものだ。
僕が「Sticky Fingers」というアルバムで一番好きな曲は "Sway" だ。'70年代はじめの時点で英国のバンドが、これだけ骨太で雄大、かつ叙情性がしっかりと結びついた表現を獲得したことは凄いと思う。また、こういった曲でもストリングスが入っているのが、英国らしさでもあるか。
はずれ。 |
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