2013-09-01

The Pale Fountains / ...From Across The Kitchen Table


ペイル・ファウンテンズ、1985年リリースのセカンド・アルバム。

前年に出されたデビュー盤「Pacific Street」があれが出来る、これもやりたい、といった感じにさまざまなタイプのポップソングを詰め込んだ作品であったのに対して、このアルバムでは、より骨太なギターポップに方向性を絞り込んだ、いってみればプロフェッショナルのバンドらしさを強調したものになっている。ただ、「Pacific Street」には曲の並びで聴かせるような面もあったと思うのだが、こちらはトータルではちょっと単調になってしまった感も。

実は、昔はあまりこのアルバムが好きではなかった。それは曲やアレンジ以前に、サウンドや深いエコー処理に因るところが大で。ダイナミックになった演奏とあいまって、なんだかニュアンスに乏しい大味なものに感じられたのだ。プロデューサーを務めたイアン・ブロウディのせいなのか何なのか、ドラムの音など平板で、もう少しどうにかならなかったか。

個人的にはそういった不満があるけれど、繊細さよりも感情の高まりを優先したような今作、改めて聴き直してみれば楽曲そのものの出来は「Pacific Street」におけるものと全く遜色がないですね。表現がダイレクトになった分、いかにもリヴァプール産らしい甘酸っぱさがだだ漏れ。
マイケル・ヘッドのボーカルがひとつリミッターを外したように情緒的になっているせいか、ネオアコというよりはロカビリーやオールディーズっぽく聴こえる瞬間もあるね。

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