2014-08-01

Peggy Lipton / The Complete Ode Recordings


女優、ペギー・リプトンがルー・アドラーのOdeに残した音源が米Real Gone Musicよりまとめられました。内容はというと、唯一のアルバムに、それより後にシングル・オンリーで出された4曲、更には未発表曲も4曲というなかなかの充実ぶりです。


アルバム「Peggy Lipton」は1968年リリースで、この頃彼女は21、2歳だったよう。プロデュースはルー・アドラー、管弦も惜しみなく使ったアレンジはマーティ・ペイチ、演奏はLAのセッションマンであって、しっかりと作られたポップスになっています。

収録曲全11曲のうちキャロル・キングのものが5曲、ローラ・ニーロが2曲取り上げられていて、残る4曲が彼女の自作であります。ペギー嬢自身がキャロルやローラから影響を受けていたそうで、自作曲はいかにもそれ風のもの。そこそこの出来ではあるものの、本家の曲と並べてしまったことで逆に見劣りがしている感じも。
一方で、ボーカルなんですが、これは、うん、うまくないです。軽めの曲調のものではそんなに気にならないのだけれど。とはいっても、キャロル・キングの歌だっていい勝負ですが。もう少し声にキャラクターがあれば良かったかな。

なんだかろくなことを書いてませんが、いずれも本職のミュージシャンとして考えた話であって、女優さんの余技としては作曲・歌唱とも十分以上なものであるかと。「名盤」とか「傑作」を期待しなければ、選曲やゴージャスなプロダクションにも助けられて、全体としてはなかなか聴けるアルバムだと思います。


また、シングル曲や未発表のものはアルバムよりも軽快なつくりであって、個人的にはむしろこっちの方がいいのではないかな、と。アルバムは年齢の割に落ち着きすぎのような。
中でもジム・ウェッブが書き、アレンジを手がけた "Red Clay County Line" がいかにもな感じで、悪くない。
そして、ペギー・リプトンの自作曲である "I Know Where I'm Going" は'60年代らしいフックがあるメロディで、これは良いね。


いちばんいいのがヴィジュアルだというのも本当のところ

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